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経営を強くする戦略総務

「経営を強くする戦略総務」をKindleで読んだ。

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著者は豊田健一氏という方で、「月刊総務」という総務パーソン以外読んでいる人がいないであろうニッチな雑誌を発行している会社の社長さんだ。他にも戦略総務研究所 所長やFOSC 代表理事、一般社団法人ワークDX推進機構 理事などの肩書きも併せ持っているミスター総務とでも言うべき人である。

 

本の内容についてはタイトル通り「戦略総務」実現に向けて、その考え方から、必要なスキル、実践方法などを紹介した内容となっている。

 

《本書の構成》

第0章 総務の実際とその役割
  • なぜ、総務の社内的評価が低いのか 
第1章 「戦略総務」が会社を強くする
  • 総務の現状と戦略総務
  • 総務を取り巻く環境と総務のテーマ
  • VUCA時代と総務の役割
第2章 戦略総務に導く「10個の問い」
  • 1.今の環境下で自社は生き残れるのか
  • 2.総務の成功とは何を意味するのか
  • 3.総務のその施策を誰が利用するのか
  • 4.その仕事、やる意味があるのか
  • 5.あなたは何がしたいのか? どうしたいのか
  • 6.その問題の本質的課題とは
  • 7.社員のことを知っているか? 社員に知られているか
  • 8.あなたの周りにプロはいるか
  • 9.従業員、経営に、あなたは信頼されているか
  • 10.あなた、総務のプロになりたいの 
第3章 現場をよみがえらせる戦略総務の仕事術
  • 戦略総務実現のための重要課題
  • 「やめる・減らす・変える」による改善
  • 横串で全社把握する「コスト削減」
  • BPOアウトソーシング
  • 社内コミュニケーション活性化戦略1
  • 社内コミュニケーション活性化戦略2
  • 「2・6・2の原則」で進めるワークスタイル戦略
  • 働く場の環境整備「オフィス戦略」
  • 個を把握し、個に寄り添う「健康経営戦略」
第4章 戦略総務 実践事例
第5章 これからの戦略総務に求められる7つの力
  • 1.気づく力
  • 2.イメージする力
  • 3.やり切る力
  • 4.巻き込む力
  • 5.コミュニケーションする力
  • 6.ファシリテーションする力
  • 7.インテリジェンスする力

 

戦略総務と言う言葉自体あまり聞きなれないと思うが、対義語として管理総務があり、世間一般的にイメージされている総務と言うのはこの管理総務のことを指している。

管理総務は言われてやる仕事が多く、社内全般の雑務を取り扱い、何でも屋のイメージがしてしまうが、戦略総務は、自ら企画立案し会社を変えていく総務となる。

 

私は仕事で自社施設の建物や不動産の管理業務を担当しており、これらの業務も広い目で見ると総務の仕事と言える。

私が所属している会社は建物・不動産管理が独立した部署となっているが、総務業務の一つとして、建築工事の発注や不動産管理などを行なっている会社も多いと思う。

資産のスリム化や拠点の統廃合などはトップダウンでやることが多いが、本来ならば所有施設から賃貸物件へ引っ越した場合のコスト比較などを検討し、自ら経営へ企画立案していくのが戦略総務的な仕事の仕方と言えるだろう。

 

本書を読んで、常に戦略総務的な意識を持って業務を行えるよう心がけたいと改めて再認識した。

 

本書の個人的評価は5つ星中、⭐️⭐️⭐️⭐️

星4つ!

需要が限られるニッチな本だが、総務パーソンに取っては必読の一冊となる。

 

《本書の情報》

タイトル:経営を強くする戦略総務
著者:豊田健一
初版:2017年12月1日
出版社:日本能率協会マネジメントセンター