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かつて神だった獣たちへ

「かつて神だった獣たちへ」の最新15巻を読んだ。

f:id:k-est:20231121103351j:imageかつて神だった獣たちへ 15巻

本作は "擬神兵" と呼ばれる獣の力を宿した兵士たちの物語である。


Synopsis -

パトリア大陸で勃発した北部パトリアユニオンと南部パトリア連合の10年にわたる内戦が続いた時代。

劣勢に追いやられた北部パトリアユニオンが禁忌の技術を用いて造り出した異形の兵士 "擬神兵" 人の姿と引き換えに得た神にも喩えられるその力で彼ら擬神兵部隊は戦乱を和平へと導いた。

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神として凱旋した擬神兵たちだったが、人の身に神の力はあまりに大きすぎた。人は力を恐れ  力は心を腐らせる。内戦から時を経た5年後の今… 神と称えられた兵は ただ "獣" と呼ばれている。

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かつて擬神兵ウェアウルフとして擬神兵部隊を指揮したハンク・ヘンリエットは「人の心を無くした者は仲間の手で葬る」とする部隊内の取り決めに従い、暴走する戦友たちを抹殺する「獣狩り」として旅を続けていた。

擬神兵だった父をハンクに殺された少女ナンシー・シャール・バンクロフトは、父の死の意味を知るために仇であるハンクの旅に同行することになる。

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本作には様々な擬神兵が登場する。主人公のハンクのようなウェアウルフ(狼男)や、ハンクのかつての部下であり宿敵のケインのようなヴァンパイア(吸血鬼)であれば、普段は人型のタイプなので日常生活になんら問題はないが、大多数の擬神兵たちは獣の姿のままで人型に戻ることが出来ず、かつサイズも巨大なものも多数おり、同じ擬神兵でもモデルによって良いものから悲惨なものまで様々だ。

f:id:k-est:20231121103544j:image擬神兵スプリガン

f:id:k-est:20231121103613j:image擬神兵ミノタウロス

f:id:k-est:20231121103657j:image擬神兵ベヒモス

人型になれるハンクに狩られる彼らはあまりに悲惨ではないだろうか。ミノタウロスなんかはまだ人型タイプと言えなくもないが(牛だけど)、ベヒモスは、擬神兵の中でもなりたくないモデル一、二を争うだろう。

 

本作の作者は「めいびい」さんで、本作以外にも「黄昏乙女×アムネジア」や「結婚指輪物語」などの作品がある。ちなみに「めいびい」さんは男性二人組らしい。実に意外な感じがする。

題材が面白く作画も上手で、おすすめ漫画の一つだった「かつて神だった獣たちへ」も15巻で完結を迎えた。

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めいびいさんの次回作に期待したい。